今すぐ見直しを!空き家に火災保険が必要な3つの理由 今すぐ見直しを!空き家に火災保険が必要な3つの理由

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今すぐ見直しを!空き家に火災保険が必要な3つの理由

今すぐ見直しを!空き家に火災保険が必要な3つの理由

近年増加している空き家の数。2019年に発表されたデータでは、過去最高となる846万戸にのぼることが国土交通省の調べでわかりました。
年々増え続ける空き家に対して、早めの売却や利活用、処分といった対策をとること、そしてなにより適切な管理責任が所有者に問われています。

そこで今回注目したいのは、空き家の火災保険についてです。
管理のひとつでもあるリスク管理の中で、空き家が火災にあうリスクや、損傷するリスクも当然あります。
しかし空き家にも火災保険を掛けると管理費用の負担はさらに大きくなることも事実。
果たして本当に空き家の火災保険は必要なのでしょうか?
この記事では空き家に火災保険が必要な3つの理由を解説していきます。

空き家の火災保険が必要な3つの理由

さっそく空き家に火災保険が必要となる理由をみていきましょう。主な理由は以下の3つとなります。

  • 通常の火災保険では補償されない可能性大
  • 空き家であっても損害賠償責任が生じる
  • 放火されるリスクが高い

ではそれぞれの項目を詳しく解説していきます。

通常の火災保険では補償されない可能性大

普段生活をしている住居の火災保険と、空き家に掛ける火災保険はじつは別モノとなります。
火災保険は建物の種類で「住宅物件」と「一般物件」という2つに分かれ、それぞれ加入できる火災保険が違うのです。

【住宅物件と一般物件のまとめ】

建物の分類 住宅物件 一般物件
基本条件 住居専用で居住中の建物 住居以外の建物
保険の種類 住宅火災保険 普通火災保険
空き家の状況 住む予定がある 住む予定なし
空き家の例 別荘など 管理のみしている空き家
賠償責任補償 個人賠償責任補償 施設賠償責任補償
地震保険 加入できる 加入できない

そのため、長期契約で加入した火災保険を変更せず、空き家となった今もかけ続けている場合は補償がされない可能性があります。
ただし空き家であっても別荘のように、寝泊りして生活ができる状態に管理されていれば補償対象になることも。
いずれにしても保険会社の判断が必要です。すぐに保険会社に連絡をして補償内容を確認しましょう。

空き家であっても損害賠償責任が生じる

空き家の壁や屋根瓦が崩れ通行人にあたってケガをさせた場合や、モノを壊してしまったなど、空き家であっても所有者の管理責任を問われ、損害賠償を求められる可能性があります。
とくに人に対しての損害賠償は高額になるケースが多いため、損害賠償責任補償を備えておく必要があります。

放火されるリスクが高い

2019年に消防庁の発表した火災の出火原因によると、たばこが3,712件ともっとも多く、そのつぎに放火が3,528件でした。しかし放火の疑いがあるものが2,305件で5位となっており、この2件を合計すると5,833件と断トツで1位になります。

放火のリスク

出典:平成30年版 消防白書(https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/h30/chapter1/section1/para1/38268.html)
放火や放火の疑いのある出火は年々減少しているもののまだ多いのが実態です。空き家はとくに人の気配がなく狙われやすい傾向にあるため、火災保険の加入が必要といえます。
空き家の中に必要なものがなくても、残存物の片付け費用などは高額になりがちです。万が一の備えとして加入しておいたほうがいいでしょう。

空き家の火災保険につける補償は?

火災保険

空き家の火災保険は通常の火災保険と同様の補償内容を選択できることがほとんどです。
補償内容を厚くすれば万が一の際には安心ですが、そのぶん保険料が高額になり費用負担が増えます。
保険料と補償内容のバランスを考えながら必要に応じた補償内容を選びましょう。

自然災害補償

近年では、台風や豪雨、長雨などによる被害が全国各地で相次いでいます。
地域の特性に合わせ、風災、ひょう災、雪災、水災など必要な自然災害の補償を検討しましょう。

空き巣などの盗難が心配なら盗難リスクも

空き家に家財道具がある状態であれば、空き巣による被害も心配なところです。
火災保険の盗難補償をつけておけば、盗難事故で起きた建物の損害や盗まれた家財道具に対して補償がおります。

施設賠償責任補償

施設賠償責任補償は個人賠償責任補償と呼び名が違うだけで、内容は同様のものとなります。
自宅の火災保険や自動車保険などですでに「個人賠償責任補償」を付けている場合はそちらで補償できるので新たに補償を付ける必要はありません。

空き家だと地震保険に加入できない

火災保険と地震保険は別の保険であり、火災保険とセットで加入することができます。
しかし空き家のような一般物件の場合には、火災保険に加入していたとしても地震保険に加入することができません。

地震保険は生活を安定させることが目的

空き家が地震保険に加入できない理由は、地震保険は損害補償を目的としているわけではなく、「生活を安定させること」を目的としているからです。
火災保険は建物や家財道具が受けた損害を補償するものですが、地震保険は被災すると広範囲に損害が及ぶ可能性があり、火災保険会社だけではその額を補償しきれない可能性があります。
そのため国と保険会社の共同運営という形で運営されており、保険金額も建物・家財ともに火災保険金額の50%まで(建物:5,000万円、家財1,000万円)が上限です。

別荘のような住居用の空き家であれば加入できる

地震保険は空き家の場合、基本的に加入できません。
ただし別荘のように季節的に住居として使用される建物は「住宅物件」と認められるため地震保険に加入することができます。

ボロボロの空き家は火災保険の加入を断られることも

ここまで空き家に火災保険を掛ける必要性を述べてきましたが、すべての空き家が火災保険に加入できるわけではありません。
管理がされてなく、状態がいちじるしく悪い空き家の場合は、火災保険会社が引き受けを拒否することがあります。
空き家は相続で取得する人がほとんどで、建物の年数が古いものが多く、中には建築基準を満たさない空き家も多くあるのが実情です。
そのような空き家の場合には倒壊する危険度も高く、管理されていない空き家は放火の危険性も高まります。
そのような点から引き受け基準を満たしていないと判断されることもあるようです。

空き家法の成立で管理されていない空き家が明らかに

2015年に施行された空き家法では、行政が空き家の調査をおこなえるようになりました。
問題のある空き家に対しては立ち入り調査を実施して、問題解決に向けた改善要求を所有者に対して指導する権限を得たのです。
その調査段階で問題があると判断された空き家は、行政によって「特定空き家」として指定されます。
この特定空き家である場合には火災保険に加入できる確率はとても低いものだと考えた方がよいでしょう。

特定空き家とは

特定空き家と指定される条件は下記の4点です。

  • 放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • 放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  • 周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

※出典:国土交通省「「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)」(https://www.mlit.go.jp/common/001090531.pdf)

つまり、「放置され倒壊寸前のボロボロの空き家」ということです。
この状態の空き家は行政から指導の対象となり、指導後も改善がされなければ、勧告、命令、強制撤去といった処分の対象となります。
なぜならそのまま放置しておくと、倒壊する危険性があり周辺環境に悪影響を及ぼす可能性もあるからです。このような状態になる前に、徹底した管理をすることが大切です。

空き家も火災保険が必要!まずは内容を確認してみて!

空き家には、

  • 通常の火災保険では補償されない可能性大
  • 空き家であっても損害賠償責任が生じる
  • 放火されるリスクが高い

という火災保険に入るべき3つの理由があります。
万が一の火災や自然災害によって損害を受けたら補償費用は高額になりがちです。また建物だけで家財道具はないという空き家でも、火災となれば残存物の撤去費用や、近隣への見舞金など必要な費用が発生します。
ただし特定空き家となるような管理がされていない空き家では、火災保険への加入も難しくなるもの。まずは徹底した管理をおこなうよう心がけましょう。

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