空き家がもたらす近隣住民への被害と実例を紹介空き家がもたらす近隣住民への被害と実例を紹介

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空き家がもたらす近隣住民への被害と実例を紹介

空き家がもたらす近隣住民への被害と実例を紹介

ある日両親他界して実家を相続することになり、どうするかをすぐに決めることが出来ずに悩んで半年、1年、3年、5年と長期放置するという事例は非常に多くあり、今や国家からも問題視されています。
遠方に住んでいると、定期的に管理を行えないこともあるでしょうが、定期的に適切な管理をされてない空き家は近隣住民にどういった被害をもたらしてしまうのか。

空き家を放置してしまった場合に起こりうる危険性について、今回は空き家がもたらす近隣住民への被害と実例を紹介をさせて頂きます。

空き家は社会問題になっている

まず、知っておいて欲しいのが現在、空き家の増加が社会的にも問題となっています。
実家を相続した人からすると「自身が所有しているものを住むのも放置するのも自身の所有物なので勝手じゃないか」という声も聞こえてきそうですが、実際のところこれが大きな問題に発展してしまっているので社会的に問題視されているのです。

空き家は、総務省が5年毎に統計をとっており、現時点での最新データは2018年のものですが、それによると全国の空き家の数は約846万戸で、全住宅数に対する空き家の割合は13.6%とされています。
なので、おおよそ7件に1件が空き家という計算になります。

5年毎に統計を取っていると紹介した通り、前回は2013年のデータでは、その時の統計が全国の空き家の数は約820万戸でした。
820万戸から、846万戸になっているので着実に空き家率は上昇している事がわかります。
空き家が増えている原因は、いろいろな要因が関係しているのですが、大きな理由として考えられるものは以下のものが挙げられます。

集合住宅の乱立

1人暮らしが増えてきているといわれている時代ですが、そもそもの人口は減ってきてきています。
都市や駅から徒歩圏内の好立地にあるマンションは若者だけでなく、高齢者も好む傾向があり買い手がつくのも早いです。
大型マンションなどの乱立が相次ぐ関係で、中古の一戸建てはどんどん売れ残り空き家として長期競売に掛けられています。

少子高齢化・核家族化

田舎や地方では非常に問題になっている少子高齢化・核家族化。
子どもが独立して、親だけで暮らしていたけど、高齢になって施設入ったまま空いた状態になってしまうケース。
元気になって戻ってくるということはあまりなく、両輪が亡くなるなどしてそのまま子供に実家が相続されます。

築年数が経過した物件の不人気

中古でマンションや一戸建てを探して購入される方は、とても多くいらっしゃいます。
しかし、やっぱり人気があるのは築年数の浅い綺麗な物件です。
実家などは、両親が住んで、子供が成長し巣立つまでの20年以上経過していることが殆どなので築年数20年や30年、40年経っていると買い手は見つかりにくいという現実があります。

空き家に関係する負担

空き家を取り壊すにも150万~200万円といった高額な費用が掛かってしまいます。
この費用の負担がなかなかに重荷で長期放置される方がいらっしゃいます。
更に、空き家を取り壊したら個税資産税の負担も掛かってきます。土地の固定資産税は、更地よりも建物が立っていたほうが、固定資産税が低くなるため取り壊さない方が固定資産税が得なのです。

これらの理由から、空き家は増加の一途を辿っています。

空き家がもたらす近隣住民への被害と実例

住むことなく、ただ放置しているだけの空き家がどうしてそこまで問題とされるのでしょうか。
実は、空き家の被害の中には、老朽化による近隣住民への影響だけでなく重大な事件など犯罪につながるものも多く報告されています。

直接事件に関係が無いとしても、空き家の所有者であるオーナーの元にも警察が訪れて事情聴取されることもあります。
それでは、空き家がもたらす近隣住民への被害を実例と共に紹介していきます。

悪質な犯罪の受け渡し場所

ご存じの方も多いと思いますが、世間で周知されているオレオレ詐欺といった犯罪の受け取り場所として空き家はかなり使われています。
オレオレ詐欺で騙したお金の配送先にその空き家の住所を使われます。
騙したお金は郵送などで送らせて、オレオレ詐欺のお金を受け取る人(受け子)が空き家に侵入し、あたかも居住者のようになりすまし荷物を受け取るのです。
これは、犯罪の一例で他にも麻薬の取引や、遺体の埋め場など、想像もできないことに利用されてしまうこともあります。

不審者の居住スペース

確実に空き家だと判断されたら、ホームレスや、不審者が不法侵入して住みつくといった事例も幾つも報告されています。
また、不良グループのたまり場などになったりすることもあります。この場合、空き家内がどんどん汚されていってしまい、その始末は家主が行うことになりあます。

老朽化による倒壊

まず、空き家がもたらす近隣への被害といって想像するのが老朽化による被害ではないでしょうか。
古い日本の家は主に木で造られています。
木で造られた家は定期的な換気や適切な管理を行わない木が劣化していき、建材としての役目を果たすことができなくなってしまいます。
そして、毎年のように来る台風や、各地で相次いでいる自身等をきっかけに倒壊する建物が実際に出ています。

景観の悪化

街の価値は、その街にある建物ひとつひとつが作り上げていきます。
住宅も例外ではありません。高級住宅街というイメージがある場所には、綺麗で作りが立派な家が並んでいるから、高級住宅街と呼ばれるのであって、築年数が60年以上経っていて今にも腐り落ちそうな家が立ち並ぶ場所を高級住宅街とは呼ばないのです。
景観を損ねると、そこに住みたいと思う人が減っていきそれが重なって過疎化を加速させていきます。
過疎化は市区町村なんとか歯止めを掛けたい問題なので放置し続けて状態の悪い空き家というのは問題視されてしまうのです。

放火被害

空き家は、放火の被害にあいやすいと言っても過言ではない格好の的です。平成30年(1~12月)における日本全国の総出火件数は37,981件と公表されています。
出火原因の第1位は「たばこ」、第2位は「たき火」、第3位は「コンロ(調理事故)」、第4位に「放火」となっています。
空き家は人の目がなく、室内も燃えやすい乾燥しきったものなどが散乱していることが多いため、不審者による放火が多く発生します。
近年街のいたるところに防犯カメラが設置されている関係から放火件数は減ってきてはいるもの、放火被害の可能性は捨てきれません。
放火する犯人が最も悪いのですが、近隣に飛び火し、命を奪ってしまうなんてことも起こり得ます。
火元の空き家への損害賠償請求は「失火責任法」という法律でほとんどの場合、損害賠償を請求することができないとされていますが道徳の面では無視できない問題でしょう。

害虫・害獣の住処に

空き家には、野良犬、野良猫が住みつき、その糞尿による悪臭などが生じる可能性があります。
子どもが生まれたりするとその被害は更に拡大します。野良犬、野良猫なら可愛いものだという思われる方も居ませんが、ネズミやゴキブリならどうでしょう。
他にも害虫・害獣と呼ばれる生体は無数に居て、そこで繁殖されると、周囲まで害虫・害獣が押し寄せる脅威があります。
スズメバチなどが軒先に巣を作るなどすると周辺住民にとっては日々恐怖の中生活を送らなければいけません。

衛星問題

人が住んでない空き家状態の家というのは、庭先の雑草が伸びっぱなしだったり、ポストの中がチラシで溢れかえっていたり、年中雨戸が締まっていたりするところなどから、誰が見てもパッと見で分かるものです。
そういった人が住んでない言えというのはポイ捨てや不法投棄の温床になります。
ポイ捨てや不法投棄が始まるとそこからさき粗大ごみが積み重なるのは早く、気が付いた時には庭がゴミで溢れかえっていて、口の空いたジュース缶や生ゴミから害虫・害獣を呼び寄せて連鎖的に状態を悪化させていきます。
これらを阻止するためには、定期的な空き家の管理が絶対に必要になってきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、空き家がもたらす近隣住民への被害と実例を紹介させて頂きました。

所有している家に、住もうが住むまいが個人の自由のように思えますが紹介した通り放置するだけでこれだけの被害が周囲に及ぶ恐れがあります。
最後に空き家がもたらした損害賠償は、所有者が賠償責任を負わされる可能性大いにあります。
倒壊した場合、損害賠償額が数千万円から数億円と非常に高額になることもあるため絶対に軽視してはいけません。

空き家の倒壊で、男児、女児が死亡するなんてことも十分想定されます。
もちろん、大人も青年も老人も全て倒壊事故で命を落とす恐れがあります。
他人に危険を及ぼさないよう、しっかりと管理しましょう。

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