空き家の劣化は早い?その原因を解説!空き家の劣化は早い?その原因を解説!

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空き家の劣化は早い?その原因を解説!

空き家の劣化は早い?その原因を解説!

空き家になると劣化が早く、3ヵ月頃には傷みが出てきて、1年放置されると見る影もないほど変わってしまうことをご存知でしょうか。
空き家が傷み劣化がすすむと、外観が廃れてしまい空き巣被害や放火などの犯罪に巻き込まれやすくなります。
では人が住んでいる状態と空き家の状態では、何が違うのでしょうか?空き家の劣化が早まる理由をみていきましょう。

空き家の劣化が早くなる5つの理由

空き家の劣化が早まる理由には主に下記のようなものがあります。

  • 換気されず湿気がこもる
  • 適切なメンテナンスがされない
  • 通水されないと水道管が劣化し害虫などが入る
  • 掃除がされず害虫や害獣が住みつく
  • 破損個所に気づかない

以下でそれぞれの項目について解説していきます。

換気がされず湿気がこもる

換気

空き家の劣化が早まる最大の要因は「湿気」によるものです。
梅雨の時期は人が住んでいる状態でも湿気が溜まりやすく、換気や湿気取りの設置など適切な対応をしないと、建物を傷めてしまうことがあります。

人が住んでいれば、建物内の空気は人の動きによって流れるため、湿気が滞留することはあまりありません。
一方空き家は締め切った状態で人も住んでいないため、建物内の湿気を含んだ空気が流れることがなく、留まり続けることになるのです。
その結果、カビが発生しやすく、木材が湿気を吸収し続けることにより劣化が早まります。

適切なメンテナンスがされない

空き家となるのは高齢な親世代が建てた家で、多くが相続によって築年数の古くなった空き家を引き継ぐことになります。
築年数の古い家であれば、外壁や屋根なども古くなっていることからメンテンナンスが必要なことがほとんどです。

しかし空き家になりそのまま放置されてしまうと、外壁の塗装や屋根のも放置され適切な修繕がされなくなってしまいます。
外壁や屋根の修繕が適切にされなければ、水気を含んだ壁は崩壊することになりますし、屋根が劣化すれば雨漏りの原因となり、劣化がさらに早まることになるのです。

通水されないと水道管が劣化し害虫などが入る

空き家は水を流さなくなることも劣化を早める原因です。私たちは日ごろから水道を使って水を流すため、水道管の中の水が常にある状態を保つことができます。

しかし水を流さなくなった空き家では、水道管の水が蒸発してしまい、そこから赤錆が発生するのです。
この赤錆は水道管を酸化させる性質があるため、放っておくと水道管の破裂や損傷の原因になります。
またそこから漏水が発生すると壁の崩壊などを招きかねません。

さらに水道管を伝って害虫や害獣が侵入してくることもあり、住居内に住みつくと糞などで劣化させる原因になります。

掃除がされず害虫や害獣が住みつく

害虫

空き家が所有者の自宅から遠方にある場合には、日常的な掃除が行き届かなくなります。
遠方であれば通う頻度も少なくなることから、室内には埃がたまり、庭木や雑草も茂った状態になるのです。
そうなると害虫が発生しやすく、人の気配がない空き家の中に住みつきやすくなります。
害虫が住めばそれをエサにする害獣がやってくるのも時間の問題です。

ネズミなどの害獣がすみついてしまうと、木材などがかじられ建物に深刻なダメージを与えることに。
さらにネズミを追いかけて猫が住みつくと夜中の鳴き声が近所迷惑になったり、ネズミなどの死体が散乱した状態になり異臭を放ったりと、周辺の環境にも悪影響を及ぼします。

破損個所に気づかない

日本は近年、地震や台風、長雨などが頻繁に起こり、建物がさまざまなダメージを受けることもめずらしくありません。
住んでいる場合は、そのような自然災害で損害を受けると、音や振動で気づきやすいものですが、空き家の場合にはどうしても気づきにくくなってしまいます。

1階の壁などであれば見回りの際にまだ気づきやすいですが、2階の壁や屋根瓦に受けた損害はハシゴを使って上る必要もあり、実際に見ても気づきにくい損害であることが多いのです。
もし損害に気づかず放置していると、壁のひび割れや、屋根の損傷から雨が侵入し雨漏りなどの被害に発展する可能性が高くなります。
雨漏りすると天井裏や柱を伝って住居内に雨が侵入し、構造部分を腐らせてしまうことから劣化が早まり、倒壊してしまってもおかしくありません。

空き家の劣化を遅らせるには

空き家の劣化を完全に止めることはできませんが、遅らせることは可能です。
その方法は2つあり、「定期的なメンテナンス」「定期的な管理」
重要なのはこの2つといえます。

定期的なメンテナンスが必要

壁の塗装や屋根材は常日頃から雨や風にさらされ続ける部分であり、耐用年数があります。
一般的な耐用年数は塗装が10年程度、瓦は20年程度です。空き家を相続したときの状態がどの程度かにもよりますが、取得した時点で一度メンテナンスをしておくといいでしょう。
またメンテナンスに加えて建物内外の点検もしてもらうことでさらに安心です。

換気や掃除などの管理が必要不可欠

空き家を維持していくにしても、将来的に売却や利活用、処分をするにしても、用途が決まるまでは管理が必要不可欠です。
空き家はただでさえ古い物件が多いため、掃除や換気、通水など定期的におこない、庭木の剪定や雑草の除去などをしておかなければすぐに劣化してしまいます。

相続放棄をしたとしても、次の相続人が管理するまでは管理義務が残るため同様に管理が必要です。
もし遠方などの場合で定期的な管理が難しい場合には、外部の管理委託サービスを使うことも検討しましょう。
月5,000円~10,000円程度で管理代行をおこなってくれます。

空き家が劣化し放置したままだと行政処分の対象に

空き家が劣化したまま放置されると、行政処分の対象になる可能性があります。
なぜなら2015年に「空き家対策特別措置法(空き家法)」が施行されたからです。
これまでは自治体の条例でしかありませんでした。しかしこの法律の施行以降は行政が空き家の実態を調査し、指導や勧告、命令などをおこなえるようになったのです。
空き家問題の解決を目指す法律の制定によって、ボロボロのまま放置された空き家は管理体制を見直さなくてはならなくなりました。

放置していると特定空き家に指定される

放置し続けた空き家が、倒壊の危険性や防災・防犯上のリスクになると判断されると、「特定空き家」として指定されます。
指定される条件は、

  • 放置しつづけると倒壊の恐れのある空き家
  • 放置しつづけると周辺に悪影響を及ぼす空き家
  • 管理されず著しく景観を損なっている空き家
  • 周辺の生活環境を脅かす危険性のある空き家

以上の4点です。

強制撤去となる可能性もある

特定空き家に指定されると、行政指導の対象になり、指導で改善されなければ勧告、その次は命令、行政代執行へと段階的に処分が進みます。
勧告が言い渡された時点で固定資産税の優遇措置がなくなり最大6倍の増加となるほか、命令に従わなければ50万円以下の罰金。
行政代執行までなると、強制的に撤去や修繕をされた後、所有者に費用請求がされることになります。

空き家を劣化させないためには定期的な管理が必要

人が住まなくなった空き家には、劣化が早まる原因がたくさんあることがわかりました。
適切な管理と定期的な点検、メンテナンスをすることで劣化を防止し維持していくようにしましょう。
とはいえ空き家の所在地が遠方の場合など、自分で管理が難しい場合もあります。放置し特定空き家にならないよう、専門業者への依頼を検討するなど対策を考えてみましょう。

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